World Congress On ADHD 2017
2017年10月31日4:01 PM 学会 学会、研修、研究若手医局員にも積極的な学会参加を推奨するムードのある当医局では、毎年多くの医局員が国際学会にも参加しています。私は、平成29年4月20~23日にカナダのバンクーバーで行われた「World Congress On ADHD 2017」に参加してまいりました。
事のおこりは2016年の冬。教授より「来年のバンクーバーはどうかね」と言われたのが始まりでした。私は成人期ADHDについて研究をしておりますが、その時はなかなかすっきりした結果がでない状況でした。しかし何とかAbstractを作成して申込み。その後は、教授の御指導のもと、研究をすすめつつ発表内容を検討しました。そして、あっという間に4月がやってきました。教授が筆頭(引率?)で、私を含め他のDrは若手ばかりですが、いざカナダへ!
開催地となったバンクーバーは、日本とは時差14時間、カナダで3番目の大都市です。日本から直行便で8時間40分。バンクーバー国際空港から車で20分。国際会議場のある「カナダ・プレイス」は、東京のような高層ビルが立ち並ぶ場所にありながらも、バラード入江という海に面し、眼前にはフェリーやタンカー、水上飛行機までが行き交い、しかも遠くには冠雪を頂く山々が見えるという、綺麗な場所でした。
会場では、自分のポスターを貼ったら、既に貼ってあるポスターや発表を見て回りました。ポスターではDasotralineのような新しい薬の研究報告、講演では、リアルタイムfMRIを用いたニューロフィードバックのトレーニングや、ビッグデータを用いたデータ解析についての紹介などが個人的に興味深いところでした。
ですが、今回のお仕事は、見るばかりでなく自分達も発表をすること。Poster Tourの司会のDrが回ってきます。あ、ドキドキする…まずいな…でも、もう考えない…
「はい皆さんこんにちは。日本からやってきました。私の研究を聴いて下さい…」…ぶっつけTalkが始まります。そして質疑応答。結論から言うと、みなさんやさしい。温かい目で見てくれました。分かり易く話してくれます。一人だけ早口なDrが居ましたが、司会の先生が「この人はこう言っているんだよ」と説明までしてくれました。言語が未熟なら大きな声と勢いでという教訓を得ました。冷や汗をかきながらお仕事終了です。
全員が、お仕事終了した後は、発表後は地元の海鮮料理レストランで、生ガキやエビ、サーモンのピザ、ムール貝など色々頂きました。
観光では、バンクーバー発祥の地とされる、ギャスタウンというところを散策しました。ギャスタウンは19世紀の雰囲気を残す街で、蒸気で動く時計台や、コロシアムのような変わった外観の中央図書館などをみました。バンクーバーで人気の550feetの高さにある展望デッキ「バンクーバールックアウト」に登ったり、バンクーバー美術館で、カナダの誇る女性画家エミリーカーの常設展と、アジアのコンテンポラリーアート作家とのコラボレーション展示などを見学しました。
さて、楽しかった学会も終わり、帰国して振り返ると、日常の業務の中での学会参加は中々大変な事ではありました。毎日、自分の足元を見るだけで大変なのに、半年以上先のプランを立てなくてはいけません。しかし、何もしなければ、日々の業務ですり減るだけで、向上することはできないでしょう。やはりこういう機会を与えて頂けるのはとても有り難いことと感じました。先輩の先生方に感謝をしつつ、自身の向上をめざし、後輩の先生方にも同様な学びをして貰えるよう尽力したいと考えます。
入局5年目医局員
学会「World Congress On ADHD 2017」
日時「平成29年4月20~23日」
会場「バンクーバー国際会議場」(カナダ連邦、ブリティッシュコロンビア州、バンクーバー市)
演題「Assessing attentional functions in adults with ADHD」