発達障害精査入院についての口頭発表~日本精神神経医学会学術総会
2017年8月7日6:49 PM 学会 学会、研修、研究この度、愛知県名古屋市で行われた「第113回日本精神神経学会学術総会」(https://www.congre.co.jp/jspn113/)にて生まれて初めての口頭での学会発表をさせていただきました。
成人発達障害の診療で烏山病院は知られておりますが、当院では発達障害の精査入院(診断、検査などを2週間かけて行う入院)を実施しており、これも当院のウリの1つになっております。私は、入局してからの1年間、微力ながらもこれに携わらせていただいておりました。発達障害なるものを当初何も知らなかった私なのですが、上級医、コメディカルのスタッフの方々に懇切丁寧にご指導いただき、貴重な学びの経験をさせていただいております。今回は、この発達障害精査入院についてカルテ調査を行い、患者さんの背景についてまとめたものを口頭発表することになりました。
実は、昨年の第5回日本精神科医学学術大会でも同様な内容について発表を行っていたため、発表の準備を始める前は「それをベースに発表するだけ…」とタカをくくっていたのが正直なところです。ところが、実際に準備を始めると、プレゼン用のパワーポイントを新たに作成したり、新規データに対し考察を加えなくてはならなかったりと、想定以上に準備に難渋してしまいました。しかし、上級医の先生方にご意見を仰いだり、予演会で資料の編集のやり方、考察などに更なる御指摘・ご指導を受けるなど多くの助力を頂き、何とか完成度を高めて準備を終えることが出来ました。上級医の先生方には本当に感謝しております。本当に本当に感謝しております。本当です。
発表当日を迎え、名古屋の学会会場に着くと、改めてその規模に驚きました。日本の精神医療の中でも屈指の大きな学会であることは分かっていたつもりでしたが、発表が近づくと不安と緊張が高まり、原稿と缶コーヒーを手に意味もなく会場内を徘徊してしまうほどでした。
しかも、発達障害という大きなトピックスを扱うセクションだったためでしょうか。私の発表会場には、非常に多くの方々がつめ掛けていました。「半人前にも満たない私の発表なのに…」と、不安と緊張が極限に達してしまいました。おかげで発表の最中のことはほぼ記憶にありません。いくつか質問も頂いたのですが、とにかく何かをしゃべっていたというおぼろげな記憶しかありませんでした。
そのような呈で何とか自分の発表を終えましたが、そのあとは落ち着いて、様々な講演を拝聴させていただきました。大変貴重な勉強を沢山することができました。学会ならではの大きな楽しみだと思います。夜は医局の先生方と食事会をし、普段はなかなかお話できない、沢山の先生方と地元の名物や真面目な話やらふざけた話やらをして大いに盛り上がり、親睦を深められたかなと思います。これもまた学会の大きな楽しみです。
今回の体験を振り返ると、私のように経験が薄い者にも大きな学会での発表の機会をいただけた事、また優しく懇切丁寧に指導をいただくことができた事、そして、多くの上級医の先生方と親睦を深められた事、本当に感謝の念にたえません。そして、学会は日々の臨床に役立つような様々な知識を吸収出来る貴重な機会でもある事も実感できました。この体験で得たものを実臨床に生かしてより多くの患者さんに還元したいと思います。これからも日々精進していこうと思います。
入局2年目専修医
学会「第113回日本精神神経医学会学術総会」
日時「平成29年6月22日~24日」
会場「名古屋国際会議場」
演題「成人発達障害精査入院プログラムに参加された患者の特徴と診断結果」